自宅でコーヒーを、どのように楽しまれているでしょうか。
ブラック、カフェオレ、インスタント、コーヒーメーカー、ハンドドリップ、サイフォン、フレンチプレス、エスプレッソかもしれません。
多種多様に楽しまれているコーヒーですが、家計調査によると、家庭でのコーヒー消費のうち、半数以上がインスタントコーヒー・リキットコーヒー・缶コーヒーだそうです。
総務省家計調査
インスタントコーヒーなどは確かに便利で、手早く飲めるので私たち日本人のライフスタイルにマッチしているのでしょう。
それは、ファストフードと同様なニーズだろうかと思います。
しかしながらそれは、語弊を恐れずに言うと、インスタントなものは、ただの身体的なエネルギー源でしかないと僕は考えます。
僕は、コーヒーには心を豊かにできる力があると信じています。
コーヒー農家が心を込めて栽培し加工したコーヒーを、ロースターが個性を見極め焙煎する。
それをバリスタが、もしくは家庭で私たちが、コーヒーや、そこに関わる人を尊重し、丁寧に抽出し、心から味わう。
最後の飲む瞬間の価値を最大化することが、関わる全ての人間の目的ではないでしょうか。
ハンドドリップは数あるコーヒーの抽出方法の中で最も合理的かつ、マインドフルネスにそこに注目しながら楽しめる抽出方法です。
簡単なポイントを押さえ心豊かにコーヒーを楽しんでください。
【ハンドドリップのスタンダード(300cc抽出)】
準備するもの:ドリッパー、サーバー、細口ケトル(700cc以上の容量のもの)、ペーパーフィルター、
お湯(90−96℃)600ml程度、コーヒー豆(中挽きから中細挽き)20グラム、マグカップ
抽出準備:ドリッパー、サーバー、マグを温める。ペーパーフィルターをミシン目に沿って、互い違いに折ってセットする。
セットしたフィルターにコーヒー豆を入れ、平らにならす。
【抽出の手順】
①一投目:蒸らし
②二投目:抽出のゴール(味)イメージの設定と、濃度を決める土手の高さの決定
③三投目(ー抽出完了):抽出
④引き上げ
【抽出の手順の各ポイント】
①一投目:蒸らし
中心から”の”の字を描くように、お湯を注いでいきます。
粉全体がしっかりとお湯に触れるようにし、30秒程度蒸らし、コーヒーから出るガスを抜いていきます。
この時、ペーパーフィルターに直接お湯を注がないようにします。
②二投目:抽出のゴール(味)イメージの設定と、濃度を決める土手の高さの決定
同じく中心から、500円玉程度の円(円心と土手の外周の中点くらい)を描きながら、注ぎ続け任意の高さまで土手を高くしていきます。
③三投目(ー抽出完了):抽出
任意の高さまで土手があげられたら、お湯を注ぐのを止めます。かさがへり、上のコーヒーの白いアクのようなものが落ちる前に、
また中心から、最初に決めた高さまでお湯を注いでいきます。
④引き上げ
抽出量に達したら、お湯が落ちている途中でもドリッパーを持ち上げ、下に用意しておいたマグカップを持ってきて引き上げます。
最後に撹拌して出来上がりです。
ここまでで、2−3分程度だと、雑味のないクリーンなカップに仕上がっているはずです。
【抽出の手順の各ポイントの理由】
①一投目:蒸らし
美味しいコーヒーを抽出する準備運動のようなものです。
ガスを抜くことで、以降の抽出の際、土手がくずれるのを防ぎます。
土手が崩れたり、ペーパーフィルターにお湯を直接注いでしまうと、お湯の抜け道ができてしまい抽出にムラ(雑味)ができてしまいます。
ハンドドリップの魅力はコーヒーの美味しいところだけを効率的に抽出することができる点です。
②二投目:抽出のゴール(味)イメージの設定と、濃度を決める土手の高さの決定
土手を崩さないための、注ぎ方です。
土手の高さを変えることで、コーヒーとお湯の触れ合っている時間(ホールディングタイム)をコントロールし、コーヒーの濃度を狙い通り調整します。
③三投目(ー抽出完了):抽出
上のコーヒーの白いアクのようなものが落ちるとカップのクリーンさが損なわれます。
ハンドドリップは数ある抽出の中で最もクリアにコーヒーが抽出できるのも魅力の一つです
④引き上げ
コーヒーは基本的に抽出の前半でポジティブな成分がでて、ネガティブな雑味は、ほぼ一定に抽出されます。
抽出の後半は、コーヒーの濃度調整の役割です。
アメリカンタイプのコーヒーが好きな方は、ホールディングタイムを短くするか、抽出したコーヒーを直接お湯で割ってください。
以上、ステップ、キーポイント、理由でした。
手順と、その本質を理解し、”今この瞬間に心を傾けて”コーヒーを楽しんでください。
心が豊かになり、活力が湧いてくるはずです。
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